7月11日の続き

a0081867_2314412.jpg●この緑の向こうに私の生れた家
父に会いに行ってきた。
熱が出たというから心配になって。
病室に入ると、「よく来たな。バスで来たのか?」と、父は思っていたより元気そうで横になっていた体を起こした。
「トモは?リュウは?ナオは?」と、孫たちのことを順番に聞き、
それから昔話や、母の話をし、私はお昼ご飯につきあってから、少ないバスの時間に合わせてトンボ返りした。

帰り道のバスの中で、窓に映る緑の木々を眺めながら、ふっと高校時代のある出来事を思い出した。
父は私と身長が変わらないのに以前は体重が80キロ以上あって、古い実家の床は、父が歩くと音をたてて揺れた。
いつか父と二人、車で出かけて海辺の食堂で磯ラーメンを食べたことがあった。
先に食べ終えた父がお手洗いに立った時、はげて小太りの父の後ろ姿を、隣の席の小学生が指をさして笑った。
なんて失礼な!
あの人は私のお父さんよ!という気持ちと、自分の中でも小太りの父が恥ずかしい気持ちがあって、私はどうしてよいか分からず顔を赤くして下を向いたのだった。

あれから30年、今、父は私よりも体重が減ってしまった。
あの時、父を恥ずかしいと思った自分自身が、今頃になって恥ずかしい。
そんなことを思っているうちにバスは実家に差し掛かり、緑の木々に見え隠れする実家は、主不在でがらんとしていた。
写真を撮ろうとカメラを取り出したけれど、父のいない家は自分の家じゃない気がして、シャッターが押せなかった。
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by tabetene2 | 2009-07-12 00:12 | 日記
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